2024-12-30

感染症

ワクチン接種を受けた慢性肺疾患患者におけるデルタ株およびオミクロン株SARS-CoV-2転帰に関する全国規模のコホート研究(Wee LE, et al. Chest. 2024.)

A Nationwide Cohort Study of Delta and Omicron SARS-CoV-2 Outcomes in Vaccinated Individuals With Chronic Lung Disease引用文献COPD患者がCOVID-19への感受性が高くなることが報告されています。この背景には、気道上皮の免疫応答の変化やACE2受容体の発現増加が関連していると考えられています。また、死亡リスクの上昇も指摘されています。喘息患者において、特に重症喘息を持つ場合、COVID-19に感染しやすいとの報告がある一方で、軽症喘息患者では感受性が健康な人と同等であることも示唆されています。ILD患者でもCOVID-19関連死亡リスクが高いとされています。でもそれらの研究は、オミクロン期以前のデータですよね。現在の株では呼吸器疾患があるとCOVID-19の感受性や重症化率はどうなんでしょうか? ワクチンは必要なのでしょうか?研究の背景とリサーチクエスチョン慢性肺疾患を有する個人は、呼吸器ウイルス感染症に対して感受性が高いが、慢性肺疾患とCOVID-19の転帰に関す...
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間質性肺疾患

間質性肺疾患の急性増悪に対するコルチコステロイド療法: システマティックレビュー(Srivali N, et al. Thorax. 2024)

Corticosteroid therapy for treating acute exacerbation of interstitial lung diseases: a systematic review引用文献ステロイド療法は、IPFを含むILDの急性増悪時の標準治療として最も多く使用されますが、ランダム化比較試験(RCT)はなく、主に観察研究からのデータに基づいています。そのため、有効性や予後改善効果についてのエビデンスは低いとされています。同様に、免疫抑制剤や抗線維化薬なども急性増悪時の治療として有効であるというエビデンスはありません。なので、急性増悪の治療に関して「確立された治療法がない」と言うのが現状ですね。エビデンスはないですけど、経験的にステロイドを使用するしかないのが現状ですよね・・・・研究の背景と目的間質性肺疾患(ILD)の急性増悪(AE-ILD)はしばしば死亡に至り、日常診療における重大課題である。コルチコステロイドは頻繁に使用されるものの、最適な投与法やその臨床的有効性は未だ不確定である。この知識のギャップを埋めるため、本研究ではAE-ILD患者におけるステ...
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間質性肺疾患

悪性腫瘍患者における細胞障害性抗がん剤による薬剤性肺炎とILAとの関連性(Oishi, et al. Respir Med. 2024)

Association of interstitial lung abnormalities with cytotoxic agent-induced pneumonitis in patients with malignancy引用文献最近はInterstitial lung abnormalities(ILA)に注目しているのでいろいろジャーナルを見ていたらこんな論文がArticle in pressになっていました。ちなみにILAとは、「臨床的に間質性肺疾患(ILD)が疑われていない患者で偶然に発見される、ILDに適合する可能性があるCTの所見 (Hatabu et al. Lancet Respir Med 2020)」を指しています。ground-glass abnormalitiesやreticular abnormalities、lung distortion、traction bronchiectasis、honeycombing、およびnon-emphysematous cystsを含む非依存性異常が偶発的に発見されること、肺の領域(上部、中部、下部の肺領域は大動脈弓...
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