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間質性肺疾患

自己免疫性肺胞蛋白症の治療に新時代到来?吸入GM-CSF製剤モルグラモスチムの第3相試験を読む

自己免疫性肺胞蛋白症(aPAP)は、抗GM-CSF抗体によりGM-CSFの働きが抑制され、肺内でのGM-CSF不足によって発症する稀な疾患です。そのため、GM-CSFを吸入薬として外から補う治療が有効ではないかと考えられてきました。近年では、サルグラモスチム製剤「サルグマリン®」が2024年に本邦で保険適応となり、実臨床でも使用が開始されています。本稿では、もう一つのGM-CSF製剤であるモルグラ...
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間質性肺疾患

【新国際分類2025】その16 肺胞蛋白症(PAP)―「crazy paving」パターンを見たらこの疾患を思い出せ!

Ryerson CJ et al. Update of the International Multidisciplinary Classification of the Interstitial Pneumonias: An ERS/ATS Statement. European Respiratory Journal 2025.胸部CTで“敷石状(crazy paving)”を見かけたとき、ま...
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間質性肺疾患

慢性好酸球性肺炎における世界初の前向きRCTの意義

呼吸器内科で遭遇する慢性好酸球性肺炎(CEP)は、ステロイドに対する反応性が非常に高い一方で、再発率も高く、治療期間に明確なコンセンサスがありませんでした。この論文は、2015年に発表されたものでありながら、今なお臨床判断のベースとなる国際的に重要なエビデンスです。Efficacy of short-term prednisolone treatment in patients with chro...
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いろいろ解説

【新国際分類2025】その15 慢性好酸球性肺炎(CEP)がステートメントに組み込まれたぞ。

Ryerson CJ et al. Update of the International Multidisciplinary Classification of the Interstitial Pneumonias: An ERS/ATS Statement. European Respiratory Journal 2025.急性好酸球性肺炎(AEP)と慢性好酸球性肺炎(CEP)は、臨床現場...
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論文紹介

UIPパターンの臨床的意味は背景疾患によって異なるのか?

過去に似たような結果は報告されていますが、この研究では、大規模かつ前向きなILDレジストリと多施設リアルワールドデータを用いて、UIPパターンの臨床的意味が基礎疾患によって異なるかを詳細に調査しているところが新規性のあるところらしいです。Associations of interstitial lung disease subtype and CT pattern with lung functi...
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間質性肺疾患

【新国際分類2025】その14 分類不能間質性肺疾患(Unclassifiable ILD)を読み解く ― 2013から2025へ

Ryerson CJ et al. Update of the International Multidisciplinary Classification of the Interstitial Pneumonias: An ERS/ATS Statement. European Respiratory Journal 2025.間質性肺疾患(ILD)の診断は、多職種合議(multidiscip...
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感染症

HIV以外の免疫抑制によるニューモシスティス肺炎におけるステロイド──28日死亡率に差はなし、それでも見逃せない90日後の効果

抄録だけを見ると『なんだ、28日死亡率に差がないんかい!!』と思ってしまいがちですが、実際にはステロイド併用群の方が28日死亡率に改善傾向があり、さらに90日死亡率や挿管回避率では有意に良好な結果が得られています。Adjunctive corticosteroids in non-AIDS patients with severe Pneumocystis jirovecii pneumonia ...
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間質性肺疾患

【新国際分類2025】その13 「Combined patterns(複合パターン)」とは何か?

Ryerson CJ et al. Update of the International Multidisciplinary Classification of the Interstitial Pneumonias: An ERS/ATS Statement. European Respiratory Journal 2025.2025年に発表されたERS/ATSステートメントでは、間質性肺炎...
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間質性肺疾患

とてもだいじなこと

ときどき勘違いしている方がいます。今年の呼吸器学会でもこのようが誤記がありました。医療者でもこのような間違いをすることがあるので、一般の方も間違う可能性がありますね。とてもとても大事なことを言います。一度しか言いませんので、ぜひ覚えて下さい。必ずです。必ずですよ。「突発性」間質性肺炎ではなく、 「特発性」間質性肺炎です。<スマートフォンをご利用の皆さまへ>他の記事をご覧になりたい場合は、画面下の「...
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間質性肺疾患

抗線維化薬の真のターゲットは誰か? ― PPF診断の先にある“despite management”

大阪大学からの報告ですね。呼吸器学会の総会でも見た演題がPublishされていました。実臨床でも重要な判断になりそうですね。適切な非抗線維化治療を行っても、“despite management” それでも進行してしまう…それがキーポイント!!Effectiveness of antifibrotic treatment in real-world patients with progressiv...
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ガイドライン

【新国際分類2025】その12 Alveolar Macrophage Pneumonia(AMP)―DIPからAMPへ

Ryerson CJ et al. Update of the International Multidisciplinary Classification of the Interstitial Pneumonias: An ERS/ATS Statement. European Respiratory Journal 2025.これまで「剥離性間質性肺炎(DIP)」として知られていた疾患が、2...
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間質性肺疾患

トレプロスチニル吸入液をめぐる最新情報とTETON-2試験:IPF治療の新たな選択肢になりうるか?

PRESS RELEASEUnited Therapeutics Corporation Announces TETON-2 Pivotal Study of Tyvaso® Meets Primary Endpoint for the Treatment of Idiopathic Pulmonary Fibrosis特発性肺線維症(IPF)は、進行性に肺が線維化を来し、予後不良な難治性疾患です...
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間質性肺疾患

【新国際分類2025】その11 Respiratory bronchiolitis interstitial lung disease(RB-ILD)を理解する ―ほぼ喫煙関連?

Ryerson CJ et al. Update of the International Multidisciplinary Classification of the Interstitial Pneumonias: An ERS/ATS Statement. European Respiratory Journal 2025.2025年に発表された「ERS/ATS国際分類更新ステートメント」...
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間質性肺疾患

【新国際分類2025】その16 肺胞蛋白症(PAP)―「crazy paving」パターンを見たらこの疾患を思い出せ!

Ryerson CJ et al. Update of the International Multidisciplinary Classification of the Interstitial Pneumonias: An ERS/ATS Statement. European Respiratory Journal 2025.胸部CTで“敷石状(crazy paving)”を見かけたとき、ま...
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いろいろ解説

【新国際分類2025】その15 慢性好酸球性肺炎(CEP)がステートメントに組み込まれたぞ。

Ryerson CJ et al. Update of the International Multidisciplinary Classification of the Interstitial Pneumonias: An ERS/ATS Statement. European Respiratory Journal 2025.急性好酸球性肺炎(AEP)と慢性好酸球性肺炎(CEP)は、臨床現場...
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間質性肺疾患

【新国際分類2025】その14 分類不能間質性肺疾患(Unclassifiable ILD)を読み解く ― 2013から2025へ

Ryerson CJ et al. Update of the International Multidisciplinary Classification of the Interstitial Pneumonias: An ERS/ATS Statement. European Respiratory Journal 2025.間質性肺疾患(ILD)の診断は、多職種合議(multidiscip...
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間質性肺疾患

【新国際分類2025】その13 「Combined patterns(複合パターン)」とは何か?

Ryerson CJ et al. Update of the International Multidisciplinary Classification of the Interstitial Pneumonias: An ERS/ATS Statement. European Respiratory Journal 2025.2025年に発表されたERS/ATSステートメントでは、間質性肺炎...
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ガイドライン

【新国際分類2025】その12 Alveolar Macrophage Pneumonia(AMP)―DIPからAMPへ

Ryerson CJ et al. Update of the International Multidisciplinary Classification of the Interstitial Pneumonias: An ERS/ATS Statement. European Respiratory Journal 2025.これまで「剥離性間質性肺炎(DIP)」として知られていた疾患が、2...
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間質性肺疾患

トレプロスチニル吸入液をめぐる最新情報とTETON-2試験:IPF治療の新たな選択肢になりうるか?

PRESS RELEASEUnited Therapeutics Corporation Announces TETON-2 Pivotal Study of Tyvaso® Meets Primary Endpoint for the Treatment of Idiopathic Pulmonary Fibrosis特発性肺線維症(IPF)は、進行性に肺が線維化を来し、予後不良な難治性疾患です...
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間質性肺疾患

【新国際分類2025】その11 Respiratory bronchiolitis interstitial lung disease(RB-ILD)を理解する ―ほぼ喫煙関連?

Ryerson CJ et al. Update of the International Multidisciplinary Classification of the Interstitial Pneumonias: An ERS/ATS Statement. European Respiratory Journal 2025.2025年に発表された「ERS/ATS国際分類更新ステートメント」...
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ガイドライン

【新国際分類2025】その10 Organising Pneumonia(OP)を極める

Ryerson CJ et al. Update of the International Multidisciplinary Classification of the Interstitial Pneumonias: An ERS/ATS Statement. European Respiratory Journal 2025.胸部CTで浸潤影やすりガラス影を目にしたとき、あなたは何を思い浮か...
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いろいろ解説

【新国際分類2025】その9 Lymphoid interstitial pneumonia(LIP)パターンを見たら、まず“二次性”を疑え!

Ryerson CJ et al. Update of the International Multidisciplinary Classification of the Interstitial Pneumonias: An ERS/ATS Statement. European Respiratory Journal 2025.Lymphoid Interstitial Pneumonia(L...
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間質性肺疾患

【新国際分類2025】その8 Pleuroparenchymal Fibroelastosis(PPFE)を学ぶ

Ryerson CJ et al. Update of the International Multidisciplinary Classification of the Interstitial Pneumonias: An ERS/ATS Statement. European Respiratory Journal 2025.間質性肺疾患(Interstitial Lung Diseases...
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ガイドライン

【新国際分類2025】その7 びまん性肺胞障害(Diffuse Alveolar Damage: DAD)を理解する

Ryerson CJ et al. Update of the International Multidisciplinary Classification of the Interstitial Pneumonias: An ERS/ATS Statement. European Respiratory Journal 2025.びまん性肺胞障害(DAD)は、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の病理...
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間質性肺疾患

【新国際分類2025】その6 気管支中心性間質性肺炎(Bronchiolocentric Interstitial Pneumonia: BIP)ってな~に?

Ryerson CJ et al. Update of the International Multidisciplinary Classification of the Interstitial Pneumonias: An ERS/ATS Statement. European Respiratory Journal 2025.今回のERJステートメントの中で、おそらく最も混乱を招くのが 「気...
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間質性肺疾患

【新国際分類2025】その5 Nonspecific interstitial pneumonia(NSIP)

Ryerson CJ et al. Update of the International Multidisciplinary Classification of the Interstitial Pneumonias: An ERS/ATS Statement. European Respiratory Journal 2025.2025年の国際ステートメントでは、非特異性間質性肺炎(Nonsp...
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間質性肺疾患

とてもだいじなこと

ときどき勘違いしている方がいます。今年の呼吸器学会でもこのようが誤記がありました。医療者でもこのような間違いをすることがあるので、一般の方も間違う可能性がありますね。とてもとても大事なことを言います。一度しか言いませんので、ぜひ覚えて下さい。必ずです。必ずですよ。「突発性」間質性肺炎ではなく、 「特発性」間質性肺炎です。<スマートフォンをご利用の皆さまへ>他の記事をご覧になりたい場合は、画面下の「...
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ゆるネタ

お盆その1

お盆休みといえば、世間一般には「みんなが休むもの」としてすっかり定着しています。しかし医療の世界──特に総合病院では、お盆はカレンダーのただの一週間にすぎません。診療はいつも通り、変わらず続きます。そんな“お盆”をめぐる、患者さんと勤務医の何気ないやりとりの一コマです。🧑‍⚕️勤務医「では次回の外来は1カ月後にしましょう。うーん…8月13日とか、どうですか?」👵「え?お盆なのに先生お休みじゃないん...
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ゆるネタ

熟練の技

肺の病理組織が見えているとしか思えない ──それが熟練の胸部放射線科医<スマートフォンをご利用の皆さまへ>他の記事をご覧になりたい場合は、画面下の「メニュー」「検索」「サイドバー」を使って、気になる話題を検索することもできますので、ぜひご活用ください。<PCをご利用の皆さまへ>他の記事をご覧になりたい場合は、画面上部のメニューバーや画面右側のサイドバーをご利用いただき、気になる話題をお探しください...
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ゆるネタ

🔥呼吸器内科医‼️気管支鏡中、外回りDrのリアクションで術者のテンションが爆上がりするランキング💥

第5位「ん?さっきのBAL回収液…けっこう沈殿してる!?PAPだよ!これ絶対PAPでしょ‼️」第4位「70…80…90…100…110……110mL⁉️BAL回収150mL中110mLで、回収率73%でーす!!」🥉第3位「クライオの検体、これまで見た中でマジで一番デカいっす!!」🥈第2位「うわぁッ‼ 赤BALだッ‼‼」🥇第1位「見てくださいコレ!! ひも状の組織、めちゃくちゃしっかり採れてますよッ...
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ゆるネタ

面白いマンガ特集 【昭和×ミステリー×LGBT×サイエンス】乃木坂太郎『幽麗塔』——これは絶対読むべき名作! 

漫画『幽麗塔』は、あの名作『医龍』で知られる乃木坂太郎先生が描く、まさに【昭和ロマン×近未来科学×LGBT×サスペンス】という異色の融合。なのに、なぜか読みやすくて、ページをめくる手が止まらない。どんどん引き込まれていく。これが本当にすごい。昭和29年の神戸。レトロで美しい街並みにひっそりとたたずむ“幽霊塔”と呼ばれる時計塔をめぐる、宝探しの物語。…と聞けば、古き良きミステリーを思い浮かべるかもし...
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ゆるネタ

若手必見!「こんな医療者にはなるな」〜救急・急変時のABC〜

今回は、学生さんや研修医、新人看護師さんなど、医療現場に出たばかりの若手の皆さんに向けたお話です。突然ですが、「救急のときのこんな医療者はいやだ」というABCの教訓をご存じでしょうか?これは、私が研修医の頃、救急当直のときに上級医(見た目はまるで西川きよし師匠!)から教わった、忘れられない教訓です。冗談めかしつつも、実はとても本質的なメッセージが込められています。救急時にNGな医療者「ABCDEF...
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ゆるネタ

面白いマンガ特集 ~BECK~ 

🎸 バンド経験があってもなくても、男女問わず心を奪われる——これが『BECK』! 🎤音楽をやっていた人も、やったことがない人も、この物語を読めば心に火がつく。『BECK』(ハロルド作石・作)は、ただの音楽漫画じゃない。青春のリアル、夢の痛み、そして胸が熱くなるような友情と恋を描いた、すべての世代に響く傑作です。​🎼 【あらすじ】何の取り柄もない普通の中学生・田中幸雄(コユキ)が、ある日、奇妙なオー...
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ゆるネタ

<リライト>ツーバスも対応!! 電子ドラムでストレス発散

皆さん、日々のストレス、どうしていますか?私も例外ではなく、なかなかストレスがたまっております。そんなとき、私が頼りにしているのが――楽器でのストレス発散です。実は私、学生時代からギター・ベース・ドラムを駆使してバンド活動をしていた過去がありまして。今でも時間を見つけては、ギターを弾いて、メタルサウンドで速弾き顔を切ない感じに歪めての哭きのチョーキングライトハンド奏法で派手にキメる…と、心のデトッ...
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マンガ

面白いマンガ特集 ~アオアシ~ 

サッカー大好き人間にはたまらない。サッカー好きじゃない人も引き込まれる。過去の趣味・マンガ履歴は<こちら>ついに来ました。サッカー好きにはたまらない作品ですね。『アオアシ』は、サッカーの新たな魅力を発見できる作品です。​戦術やチームプレイの奥深さに興味がある方は、ぜひ一度手に取ってみてください。🧠 サッカーを「頭」で描く、新たな視点従来のサッカーマンガが、主人公の驚異的な技術や根性、フィジカルの強...
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未分類

病院に勤務する医師の夜間当直についてまとめました

たぶん、いまは改善しているとおもいます。病院に勤務する医師の夜間当直についてまとめました。世間一般のイメージとしては、しっかりとした交代制シフトが組まれ、オンとオフが明確に区別されていると思われがちです。実際、テレビドラマなどでもそのように描かれることが多いですよね。当院でも、当直明けの医師が早めに帰宅できるような体制を整えております。しかし、勤務医の数や地域の事情によっては、いまだにこうした理想...
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ゆるネタ

面白いマンガ特集 ~ヒストリエ~

『ヒストリエ』──寄生獣の岩明均が描く、知と運命が交錯する古代叙事詩。このマンガもすごい面白いのでよかったらどうぞ。作者は人気漫画『寄生獣』で知られる岩明均先生です。あの伝説的人気漫画『寄生獣』で知られる岩明均が放つ、まったく新たな歴史ロマン――それが『ヒストリエ』です。舞台は紀元前の古代ギリシア。物語は、後にアレクサンドロス大王に仕えることになる謎多き男・エウメネスの青年時代から始まります。神話...
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ゆるネタ

面白いマンガ特集 ~創世のタイガ~

原始の大地で、人類の本能が呼び覚まされる。──『創世のタイガ』。このマンガはすごい面白いのでよかったらどうぞ。まじで。作者はベルセルクを引き継いだ森恒二先生です。文明の影すら存在しない太古の時代。突如としてその世界に放り込まれた現代の若者たちは、マンモスが駆け抜け、ネアンデルタール人が生きる世界で、知恵と勇気だけを武器にサバイバルを強いられる――。壮大な古代世界で繰り広げられる人間ドラマと歴史ロマ...
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未分類

名前の響きから勝手にゆるキャラ考えてみた

「ぬーから」という響きがちょっとかわいかったので、勝手にゆるきゃら考えてみました。謎の生き物「ぬーから」と、その母親「ぬーママ」です。名前:ぬーから高さ:0.6m重さ:12.0kg・頭には湯気のようなもやもやが出ていて、どこかぼんやりしている雰囲気。・目は大きくてうるうる、まつげが長め。・いつも眠そうで、口癖は「ぬ〜…」性格:のんびり屋でマイペース。敵意は全くなく、ただただ空を漂っている。たまに通...
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間質性肺疾患

自己免疫性肺胞蛋白症の治療に新時代到来?吸入GM-CSF製剤モルグラモスチムの第3相試験を読む

自己免疫性肺胞蛋白症(aPAP)は、抗GM-CSF抗体によりGM-CSFの働きが抑制され、肺内でのGM-CSF不足によって発症する稀な疾患です。そのため、GM-CSFを吸入薬として外から補う治療が有効ではないかと考えられてきました。近年では、サルグラモスチム製剤「サルグマリン®」が2024年に本邦で保険適応となり、実臨床でも使用が開始されています。本稿では、もう一つのGM-CSF製剤であるモルグラ...
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間質性肺疾患

慢性好酸球性肺炎における世界初の前向きRCTの意義

呼吸器内科で遭遇する慢性好酸球性肺炎(CEP)は、ステロイドに対する反応性が非常に高い一方で、再発率も高く、治療期間に明確なコンセンサスがありませんでした。この論文は、2015年に発表されたものでありながら、今なお臨床判断のベースとなる国際的に重要なエビデンスです。Efficacy of short-term prednisolone treatment in patients with chro...
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論文紹介

UIPパターンの臨床的意味は背景疾患によって異なるのか?

過去に似たような結果は報告されていますが、この研究では、大規模かつ前向きなILDレジストリと多施設リアルワールドデータを用いて、UIPパターンの臨床的意味が基礎疾患によって異なるかを詳細に調査しているところが新規性のあるところらしいです。Associations of interstitial lung disease subtype and CT pattern with lung functi...
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感染症

HIV以外の免疫抑制によるニューモシスティス肺炎におけるステロイド──28日死亡率に差はなし、それでも見逃せない90日後の効果

抄録だけを見ると『なんだ、28日死亡率に差がないんかい!!』と思ってしまいがちですが、実際にはステロイド併用群の方が28日死亡率に改善傾向があり、さらに90日死亡率や挿管回避率では有意に良好な結果が得られています。Adjunctive corticosteroids in non-AIDS patients with severe Pneumocystis jirovecii pneumonia ...
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間質性肺疾患

抗線維化薬の真のターゲットは誰か? ― PPF診断の先にある“despite management”

大阪大学からの報告ですね。呼吸器学会の総会でも見た演題がPublishされていました。実臨床でも重要な判断になりそうですね。適切な非抗線維化治療を行っても、“despite management” それでも進行してしまう…それがキーポイント!!Effectiveness of antifibrotic treatment in real-world patients with progressiv...
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肺癌や悪性腫瘍

「肺がんリスクに“食”が関与?──超加工食品(UPF)と肺がんの関連を探る」

Thorax誌に掲載された最新の大規模コホート研究では、“超加工食品(Ultra-Processed Foods: UPF)”の摂取が肺がん、特にNSCLCやSCLCのリスク上昇と関連することが示されました。日常にあふれる手軽な食品が、じわじわと肺を蝕んでいるかもしれない——Kanran Wang, et al. Association between ultra-processed food c...
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論文紹介

急性脳損傷 × 人工呼吸:低換気量で死亡率が下がる?国際研究で見えた“脳と肺”のバランス

久しぶりに集中治療領域の論文を読みました。今回ご紹介するのは、「急性脳損傷(ABI)患者における人工呼吸の換気量設定」についての注目研究です。肺にやさしい“低一回換気量換気(LTVV)”は広く知られていますが、「脳にやさしいかどうか?」は今も議論が分かれるところ。本研究は、18か国・73施設のABI患者1510人を対象に、LTVVがICU死亡率を下げるかどうかを解析したものです。尚、この研究は、「...
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間質性肺疾患

抗RNAポリメラーゼⅢ抗体陽性全身性硬化症患者の肺と腎:間質性肺疾患治療と腎クリーゼのジレンマ

全身性硬化症(SSc)に合併する間質性肺疾患(ILD)は、呼吸器内科にとって無視できないテーマです。しかし、抗RNAポリメラーゼIII抗体(ARA)陽性のSSc患者では、ILDの背後に“忍び寄る腎クリーゼ(SRC)”のリスクが潜んでいます。肺を守る治療が、腎を追い詰めることも──。大規模メタ解析の結果をもとに、ILDとSRCのバランスをどう取るべきか、かんがえてみたい・・・Abderrahmane...
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肺癌や悪性腫瘍

小細胞肺がんセカンドラインに新風?タルラタマブに期待

日本でも2025年4月に保険収載されたタルラタマブ(イムデトラ®)が、再発SCLCの“次の一手”として期待されます。第2相DeLLphi‑301での安全性・奏効率、そして第3相DeLLphi‑304での延命効果という段階的エビデンスの積み重ねが、この注目を裏付けていますね。Giannis Mountzios et al. Tarlatamab in Small-Cell Lung Cancer a...
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肺癌や悪性腫瘍

ステージIII EGFR変異非小細胞肺がんにおける免疫チェックポイント阻害薬──放射線化学療法後デュルバルマブの可能性

これまた、リアルワールド解析です。切除不能ステージIII EGFR変異陽性NSCLCにおけるCCRT後のデュルバルマブ投与の有効性と安全性について、最新の後ろ向きコホート研究を読み解きます。Fujisaki et al. Durvalumab after concurrent chemoradiotherapy for sensitizing epidermal growth factor rec...
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未分類

咳の救世主?リフヌア(ゲファピサント)のリアルワールドデータ

近畿大学の松本先生の論文ですね。共著には、新実先生(名古屋市立大)をはじめ、日本の咳診療の第一線で活躍する先生方がずらりと並びます。リフヌアは、味覚障害が心配で、実際の臨床では使いどころに迷う薬でしたよね。もっと使ってみようかな。Matsumoto H, et al. Real-world usage and response to gefapixant in refractory chronic...
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肺癌や悪性腫瘍

Perioperative ICIの実力とは?切除可能NSCLCにおけるリアルワールドデータ

Desai A, et al. Clinical Outcomes of Perioperative Immunotherapy in Resectable Non–Small Cell Lung Cancer. JAMA Network Open 2025.引用文献はじめに肺がんは依然としてがんによる死亡原因の上位を占めており、中でも早期非小細胞肺がん(NSCLC)は40~45%を占めるほどです...
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肺癌や悪性腫瘍

免疫チェックポイント肺障害を“治療前に予測”――HMGB1の臨床的可能性

広島大学の呼吸器内科を中心とした、日本国内14施設による多施設共同前向き研究ですね。Kakuhiro Yamaguchi et al. The clinical potential of HMGB1 for the risk assessment of severe checkpoint inhibitor pneumonitis: A prospective multicenter study ...
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