2025-01-22

論文紹介

特発性肺線維症における咳の治療としてのモルヒネ(PACIFY COUGH):前向き、多施設、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、二方向クロスオーバー試験(Wu Z, et al. Lancet Respir Med. 2024)

Morphine for treatment of cough in idiopathic pulmonary fibrosis (PACIFY COUGH): a prospective, multicentre, randomised, double-blind, placebo-controlled, two-way crossover trial. Wu Z, et al. Lancet Respir Med. 2024 Apr;12(4):273-280.引用文献ILD患者さんへの、咳の管理の重要性が高まっています。線維化性のILD患者さんにおける咳嗽が疾患進行や予後不良と関連する可能性については別記事にまとめていますので<こちら>からどうぞ。特発性肺線維症(IPF)の患者さんにとって、咳は生活の質を大きく損なう症状ですが、エビデンスに基づく治療選択肢がほとんどないのが現状です。これまでモルヒネは、主にIPFにおける呼吸困難の緩和に使用されてきましたが、その咳への効果については試験されたことがありませんでした。1しかし、難治性慢性咳を対象とした研究では、低用量の徐放性モルヒネ...
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間質性肺疾患

線維化性間質性肺疾患における咳嗽の疫学と予後的意義(Khor YH, et al. Am J Respir Crit Care Med. 2024)

Epidemiology and Prognostic Significance of Cough in Fibrotic Interstitial Lung Disease. Khor YH, Johannson KA, Marcoux V, Fisher JH, Assayag D, Manganas H, Khalil N, Kolb M, Ryerson CJ; CARE-PF Investigators. Am J Respir Crit Care Med. 2024 Oct 15;210(8):1035-1044.引用文献ILD患者さんへの、咳の管理の重要性が高まっています。咳嗽は、間質性肺疾患(ILD)患者においてQOLに大きく影響を与える重要な症状の一つです。さらに、特発性肺線維症(IPF)を含む線維化性疾患では、咳嗽や呼吸による肺への機械的な進展刺激が、線維化を進行させる要因となる可能性が指摘されています。咳ってもう何周も回った研究テーマのように思いますが、奥が深いですね。また咳の研究がブームになるかもしれません。いくつかの基礎研究では、肺の伸展刺激が以下のようなメカ...
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