Nested case–control studies(ネストした症例対照研究)
Nested case–control studies(ネストした症例対照研究)とは、疫学研究でよく用いられる手法であり、特徴的なアプローチを持っています。以下に手法を解説します。概要定義: 大規模なコホート研究内で、発生した症例(アウトカムを経験した人)と、アウトカムが発生しなかった対照を選び出し、詳細な解析を行う手法。特定のリスク要因(曝露)とアウトカムの関連性を効率的に調べる。特徴:研究対象はコホート内の一部に限定されるため、通常の症例対照研究よりもバイアスが少なく、効率的。対照は症例と同じコホート内からランダムに選ばれる。コホート研究の中で症例を「ネスト」する(埋め込む)形で実施される。メリット効率的: コホート全体を解析せず、対象を症例と対照に絞るため、コストやリソースを節約できる。交絡因子の調整: 対照群が同じコホート内から選ばれるため、交絡因子(年齢や性別など)の分布が症例群と類似している。信頼性: コホート全体から選んだ症例と対照のデータがもとになるため、選択バイアスが少ない。デメリット時間とリソースの制約: コホート研究が前提のため、コホートデータがなければ実施できな...