喘息

論文紹介

重症・コントロール困難な喘息患者におけるテゼペルマブによる臨床的反応および治療中の臨床的寛解:NAVIGATOR試験およびDESTINATION試験の2年間の結果(Wechsler ME, B et al.Eur Respir J. 2024)

Clinical response and on-treatment clinical remission with tezepelumab in a broad population of patients with severe, uncontrolled asthma: results over 2 years from the NAVIGATOR and DESTINATION studies引用文献重症喘息とは、高用量吸入ステロイド(ICS)と長時間作用型β2作動薬(OCSを併用する場合もある)を用いた治療や原因への対応を行ってもコントロール困難な喘息、または高用量治療を減量すると病状が悪化する喘息と定義されております 。1 2重症喘息の患者には、しばしば生物学的製剤の併用が行われております。この論文は、テゼペルマブの臨床試験であるNAVIGATOR試験3 とDESTINATION試験4 の結果に基づいています。試験名NAVIGATOR試験DESTINATION試験実施年代2018年~2020年2020年~2022年観察期間52週間104週間目的テゼペルマブの短期的な有効性と...
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論文紹介

吸入ステロイド薬の用量と有害事象の発生頻度の関連(Bloom CI, et al. Am J Respir Crit Care Med. 2024.)

Association of Dose of Inhaled Corticosteroids and Frequency of Adverse Events.引用文献吸入ステロイド薬(ICS)は、呼吸器症状や肺機能の改善させ、喘息発作を予防し、死亡率を低下させるので、喘息治療ののキードラッグと言えます。ガイドラインでは、良好な喘息コントロールを達成するために、可能な限り最小の用量を処方することが推奨されてます1 2。ICSの最大の効果の80~90%は、低用量ICS(フルチカゾン換算で100–200 μg)だけで達成されると考えられています3 4。しかし、臨床現場では、低用量で十分にコントロール可能な患者に対して、過剰に高用量のICSが継続されることが結構あります 5。経口ステロイドの副作用として、心血管疾患、骨粗鬆症、白内障、副腎抑制、肥満、糖尿病などがあるので、我々はなるべく使用量や使用期間を最小限にしようとしています。しかし。ICSに関する最近の研究では以下の点が報告されています。複数のランダム化臨床試験から得られた視床下部-下垂体軸データに基づき、高用量ICSの約3分の2が全身的...
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