2025-01-26

論文紹介

気管支鏡検査中の咳嗽を軽減するためのスプレーカテーテルを用いた気管内局所麻酔と持続的な口腔吸引の有効性:前向き研究(Tsuchiya K, et al. Respir Investig. 2025)

Effectiveness of intrabronchial local anesthesia with a spray catheter and continuous oral suction in reducing cough during bronchoscopy: A prospective study. Tsuchiya K, et al. Respir Investig. 2025 Jan;63(1):67-73.引用文献気管支鏡検査でいろいろ工夫している、実臨床に使える素晴らしい論文です。気管支鏡検査は呼吸器疾患の診断に欠かせない検査ですが、麻酔や対処、手技に不備があると。その過程で患者さんが咳や不快感を感じることがあります。この咳は、患者さんにとって身体的・精神的な負担になるだけでなく、医師にとっても検査の正確性を損なう原因となります。つまり、咳のせいで、気管支鏡の内腔画像がぶれてしまい、検査非常にやりにくくなります。そのため、咳を効果的に抑える方法を見つけることが、医療現場での大きな課題となっています。最近の研究で注目されているのが「スプレーカテーテル」を使った局所...
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肺癌

デンタル・ヘルス と 肺がんリスク: the Golestan Cohort Study(Yano Y, et al. BMC Cancer. 2024)

Dental health and lung cancer risk in the Golestan Cohort Study. Yano Y, et al. BMC Cancer. 2024 Jan 13;24(1):74.引用文献若干ニッチな話です。口腔衛生の不良が、がんを含むさまざまな疾患と関連しているという研究が数多く発表されています。特に、歯周病や歯の欠損が糖尿病や心血管疾患だけでなく、がん、特に肺がんとも関連している可能性が示唆されているのをご存知でしょうか?1 2 3 4上記には、以下のようなメカニズムが想定されています。口腔内細菌が産生するアセトアルデヒドやニトロソアミンといった発がん性物質が細胞のDNAを損傷し、がんの発生に寄与する可能性。歯周病などの口腔疾患が引き起こす慢性炎症が全身に広がり、組織の損傷やがんリスクの上昇につながる可能性。特定の歯周病原菌と宿主免疫系の相互作用が、異常な免疫反応や炎症を誘発する可能性。がんに関しては、歯周病が原因で起こる歯の欠損が、上部消化管がんや肺がんといった特定のがんのリスクを高める可能性が報告されています。5 6 7ただし、喫煙...
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