2025-01

論文紹介

その④ 肺炎編 2024 Focused Update:敗血症、ARDS、市中肺炎におけるコルチコステロイド使用ガイドライン(Chaudhuri D, et al. Crit Care Med. 2024.)

2024 Focused Update: Guidelines on Use of Corticosteroids in Sepsis, Acute Respiratory Distress Syndrome, and Community-Acquired Pneumonia.引用文献肺炎に対するステロイド治療の知識:呼吸器内科医が押さえるべきポイント市中肺炎(CAP)は、呼吸器内科医が日常的に扱う疾患の中でも特に頻度が高く、重症化すると人工呼吸器やICU管理を必要とするケースもあります。2024年版の最新ガイドライン全体の概要については別の記事でまとめていますので、<そちら>をご覧いただければ全体像が掴みやすくなると思います。今回の記事では、その中でも特に市中肺炎に対するステロイド治療の詳細と、臨床現場での活用方法に焦点を当てて勉強していきます。今回のガイドラインでは、重症CAPと軽症CAPで分けた推奨が示されています。重症かそうでないかの判断が、ステロイド使用を考慮するうえで重要になっています。重要肺炎の定義出典定義アメリカ胸部学会/感染症学会 2007 1以下のいずれかを満たす場...
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論文紹介

その③ ARDS編 2024 Focused Update:敗血症、ARDS、市中肺炎におけるコルチコステロイド使用ガイドライン(Chaudhuri D, et al. Crit Care Med. 2024.)

2024 Focused Update: Guidelines on Use of Corticosteroids in Sepsis, Acute Respiratory Distress Syndrome, and Community-Acquired Pneumonia.引用文献ARDSに対するステロイド治療の知識:呼吸器内科医が押さえるべきポイントARDS(急性呼吸窮迫症候群)は、呼吸器内科医が遭遇する重篤な症候群の一つです。本記事では、2024年版のガイドラインに基づき、ARDSに対するステロイド治療の有効性とリスクについて勉強してみました。このガイドライン全体の概要については別の記事でまとめていますので、<そちら>をご覧いただければ全体像が掴みやすくなると思います。まずARDSについて簡単におさらいですが、よくご存じであればARDSに対するステロイド治療の項目まで飛ばしてください。ARDSとは?何らかの原因によって引き起こされた二次性の病態であり、急性の両側肺の浸潤影を特徴とし、しばしば重篤で予後不良な症候群です。2012年に策定された「ベルリン定義」1 2 を基盤に、20...
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もうしわけございませんでした・・・

きょうも午前中はねこ日和でした。気持ちよさそうに寝ていらっしゃるので、そっと近づいてみようとおもいます。スース―寝息をたてていますね。ふわふわです。いつもと同じ場所、同じシルエットで、デジャブです。!!!どうも起こしてしまったようです。もうしわけございませんでしたぁ~ (*´Д`)<スマートフォンをご利用の皆さまへ>他の記事をご覧になりたい場合は、画面左上の「メニュー」からジャンルを選択してお楽しみいただけます。また、画面右下の「サイドバー」を使って、気になる話題を検索することもできますので、ぜひご活用ください。<PCをご利用の皆さまへ>他の記事をご覧になりたい場合は、画面上部のメニューバーや画面右側のサイドバーをご利用いただき、気になる話題をお探しください。
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感染症

その②敗血症編 2024 Focused Update:敗血症、ARDS、市中肺炎におけるコルチコステロイド使用ガイドライン(Chaudhuri D, et al. Crit Care Med. 2024.)

2024 Focused Update: Guidelines on Use of Corticosteroids in Sepsis, Acute Respiratory Distress Syndrome, and Community-Acquired Pneumonia.引用文献敗血症に対するステロイド治療の知識:呼吸器内科医が押さえるべきポイント敗血症や敗血症性ショックに対するステロイド治療について、最新のガイドラインを紹介するシリーズ記事の一環としてお届けします。まず、このガイドライン全体の概要については、別の記事で詳しくまとめていますので、まずはそちらをご覧ください。<その①概要編 2024 Focused Update:敗血症、ARDS、市中肺炎におけるコルチコステロイド使用ガイドライン>今回の記事では、特に敗血症におけるステロイドの適応や効果について掘り下げて勉強してみました。呼吸器内科医として、このテーマを理解することは非常に重要です。敗血症は、重症肺炎などの呼吸器感染症によって引き起こされることも多く、敗血症性ショックはしばしば多臓器不全を引き起こし、患者の生命に直...
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今日も、ねこ日和ですな・・・

今日もいつものところで寝ております。ここだけ時間が止まっているようにかんじます。いいなあ・・・それにしても、ねこの手もいいなあ・・・<スマートフォンをご利用の皆さまへ>他の記事をご覧になりたい場合は、画面左上の「メニュー」からジャンルを選択してお楽しみいただけます。また、画面右下の「サイドバー」を使って、気になる話題を検索することもできますので、ぜひご活用ください。<PCをご利用の皆さまへ>他の記事をご覧になりたい場合は、画面上部のメニューバーや画面右側のサイドバーをご利用いただき、気になる話題をお探しください。
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感染症

その①概要編 2024 Focused Update:敗血症、ARDS、市中肺炎におけるコルチコステロイド使用ガイドライン(Chaudhuri D, et al. Crit Care Med. 2024.)

2024 Focused Update: Guidelines on Use of Corticosteroids in Sepsis, Acute Respiratory Distress Syndrome, and Community-Acquired Pneumonia.引用文献今回のこの2024年版ガイドラインは、2017年に策定された「CIRCI(重症疾患関連コルチコステロイド不全症)」に関するガイドラインを基にしています。この2017年版ではCIRCIの診断と管理に加え、敗血症やARDS、市中肺炎(CAP)など8つの臨床状態におけるコルチコステロイド使用について推奨が示されていました。2017年の文献はパート1<こちら> とパート2 <こちら> に分かれています>」1 2その後、新たなエビデンスが蓄積され、特に敗血症、ARDS、CAPといった臨床現場で頻繁に遭遇する重症疾患において再評価が必要とされました。そのため、これらの状態に焦点を絞り、最新のエビデンスを反映した形で今回のガイドラインが策定されています。呼吸器内科では、呼吸器内科医自身が敗血症、ARDS、重症肺炎を直接...
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論文紹介

特発性肺線維症におけるピルフェニドンと肺癌発症リスク:a nationwide population-based study(Yoon HY, et al. Eur Respir J. 2024)

Pirfenidone and risk of lung cancer development in IPF: a nationwide population-based study.引用文献特発性肺線維症(IPF)患者さんの肺がん発症リスクは高く、一般集団と比較して最大6倍になり、肺癌の有病率も3.7~31.3%と幅広く報告されています。1 これは高齢や男性、喫煙、環境要因など、IPFと肺がんとの間に共通の発症リスク因子があるからだと考えられています。IPF患者さんに発症した肺がんを治療することには困難が伴うことがあります。というのも、手術や放射線治療、化学療法などにより呼吸機能が低下したり、IPFの急性増悪が起こるリスクがあるからです。2 3 そのせいもあって、IPF単独の患者さんに比べて、IPFと肺がんの両方を持っている患者さんの予後は悪くなりがちです。4 具体的には、IPFと肺がんの両方を持つ患者さんの生存期間の中央値が35~38か月で、IPFだけの患者さんは55~63か月とされており、5年生存率もそれぞれ14.5%と30.1%というデータがあります。5 6ピルフェニドンはご存...
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ゆるネタ

ねこの哀愁

ネコの後ろ姿には哀愁がある。なぜだろう・・・それにしてもまるいなあ<スマートフォンをご利用の皆さまへ>他の記事をご覧になりたい場合は、画面左上の「メニュー」からジャンルを選択してお楽しみいただけます。また、画面右下の「サイドバー」を使って、気になる話題を検索することもできますので、ぜひご活用ください。<PCをご利用の皆さまへ>他の記事をご覧になりたい場合は、画面上部のメニューバーや画面右側のサイドバーをご利用いただき、気になる話題をお探しください。
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論文紹介

特発性肺線維症患者におけるベクソテグラスト:INTEGRIS-IPF臨床試験(Lancaster L, et al. Am J Respir Crit Care Med. 2024)

Bexotegrast in Patients with Idiopathic Pulmonary Fibrosis: The INTEGRIS-IPF Clinical Trial.引用文献特発性肺線維症(IPF)は、原因が不明の間質性肺疾患であり、非常に予後が厳しいことが特徴です。現在、治療薬としてはニンテダニブやピルフェニドンが承認されていて、これらは呼吸機能の悪化を遅らせる効果があります。ただ、残念ながら、生存期間を大きく改善するような治療法はまだ確立されていません。このため、QOLを保ちながらIPFの進行を抑え、さらに生存期間を延長させる新しい治療法の開発が急務となっています。呼吸器疾患の分野では、この領域の研究がこれからさらに進んでいくと期待されています。呼吸器内科に興味のある皆さんにとっても、非常にやりがいを感じられるテーマではないでしょうか?IPFの進行に関しては、TGF-βの活性化が重要な役割を果たしています。このTGF-βは、αvβ6やαvβ1といったインテグリンによって活性化されます。1 2 3 これらのインテグリンは、特にIPF患者さんの肺の上皮細胞や線維芽細胞...
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統計

有機粉塵への曝露後の過敏性肺炎およびその他の間質性肺疾患のリスク(Iversen IB, et al.Thorax. 2024)

Risk of hypersensitivity pneumonitis and other interstitial lung diseases following organic dust exposure.引用文献有機粉塵は、細菌、真菌、花粉など、微生物、植物、動物由来の粒子で構成されています。1こうした粉塵への曝露は、農業、木材加工、繊維産業といった職場で多く見られるのですが、2 3実は職場以外でも鳥やカビなどを通じて曝露が発生する場合があるそうです。4有機粉塵の中でも、特に注目されるのが「エンドトキシン」です。これはグラム陰性細菌の外膜に存在するリポ多糖であり、吸入により肺内の免疫細胞に作用して炎症を引き起こしうることが知られています。具体的には、エンドトキシンが主に肺のマクロファージや気道上皮細胞にあるToll-like receptor 4(TLR4)に結合し、核内因子であるNF-κBが誘導され、炎症性サイトカイン(IL-1β、IL-6、TNF-αなど)が放出され、それによって肺の炎症や線維化を促しうることが考えられています。農業などの現場ではエンドトキシンの濃度が非常に...
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