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いろいろ解説検査関連深掘り

🫁 呼吸器内科TIPS|間質性肺疾患治療中のFVC低下=悪化・再燃とは限らない!

間質性肺疾患(ILD)、特にステロイドが治療の選択肢となるNSIPや膠原病関連ILDでは、治療開始後1〜3ヶ月で症状・呼吸機能・胸部CT画像のいずれもが改善することが多く、「これはいい経過だ」と感じる場面も少なくありません。

しかし、そこから半年〜1年経った頃、胸部CTでは改善傾向が続いているにもかかわらず、FVC(努力性肺活量)が低下しているというケースがあります。

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「あれ?これって再燃…?」と不安になったら

このようなとき、「再燃かもしれない」とドキッとすることがあります。ですが、すぐに疾患の悪化と判断するのは早計です。

特にステロイド治療中である場合、体重の増加に注目してみてください。
診察室で患者さんを見て、「少しふっくらしてきたかな?」「お腹まわりが大きくなっているかも?」と感じたら要注意です。


肥満によるFVC低下かもしれません

ステロイドによる食欲増進や代謝変化などで体重増加、特に腹部肥満が生じると、横隔膜の可動性が低下し、FVCやTLCが減少することがあります。

このような拘束性換気障害は疾患活動性によるものではなく、肥満による生理的変化と考えられます。


再燃ではなく、体重増加に伴う“偽のFVC低下”なら…

  • ILDの臨床症状やCT画像が安定している
  • それにも関わらずFVCが低下している
  • かつ体重が増加している場合

このようなときは再燃ではなく肥満の影響である可能性が高いため、過剰な治療強化は避けるべきです。
ダイエットを提案し、疾患が安定していればステロイドも適宜減量を検討しましょう。

(一応の鑑別としては、単に呼吸機能検査がうまく実施できていない可能性や、神経筋疾患による呼吸筋の障害といった可能性も念頭に置く必要があります…)


📝 まとめ

  • 治療中のFVC低下=再燃とは限らない
  • 体重(特に腹囲)の経過をチェック
  • 肥満による換気障害なら生活指導+ステロイド漸減で対応
  • 画像・症状と整合性を持った評価が大切!



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