呼吸器症例クイズ!
Xで症例クイズ出していましたが、これからブログの方にも載せていこうと思います。
症例提示
75歳女性 主訴:慢性咳嗽、胸部異常陰影
詳細は…スライド参照してください。
指導医「さて、問題です。」
問1. 次のうち診断に有用な優先度の高い検査は?
問2. 最も疑う疾患は?
問1. 次のうち診断のために優先度の高い検査は?
- 副鼻腔CT
- 外科的肺生検
- 喀痰抗酸菌検査
- T-SPOT
問2. 最も疑う疾患は?
- 過敏性肺炎
- 肺結核
- 非結核性抗酸菌症
- びまん性汎細気管支炎
解説
今回は間質性肺疾患ではなく、慢性の呼吸器感染症の代表格の疾患です。 日常診療での遭遇頻度は多いので、呼吸器内科以外の診療科でも知っておいて損はないでしょう。
問1. 次のうち診断のために優先度の高い検査は?
問2. 最も疑う疾患は?
数年間の経過で画像所見に大きな変化が認められないことから、本疾患は進行速度が比較的遅いことが示唆されます。
胸部CTでは、両上肺野に粗大な陰影は認められません。一方、右上葉S2/S3に小葉中心性の粒状影および小結節影を認め、右中葉には気管支拡張を伴う収縮した浸潤影がみられます。また、両下葉にも小葉中心性の粒状影を認めます(スライド)。
これらの画像所見から、抗酸菌感染症が疑われます。
分布様式や空洞形成に乏しい点からは、抗酸菌症の中では、結核よりも非結核性抗酸菌症(NTM)の可能性が高く、さらに経過が緩徐である点もNTMを支持する所見と考えられます。
なお、NTMおよび結核はいずれも慢性感染症であり、初期あるいは軽症の段階ではCRPが必ずしも上昇しないことに留意する必要があります。
以上より、鑑別診断の最上位はNTMと考えられます。
しかし結核も鑑別に挙げておいてください。
その診断に必要な検査としては、スライドに示すとおり、喀痰抗酸菌検査が最も非侵襲的かつ簡便であり、病原菌を直接証明できる方法です。
この検査により、排菌が確認されれば結核かNTMかの診断が可能となります。
喀痰検査で診断が確定しない場合には、気管支鏡検査が次の選択肢として考慮されます。
一方、T-SPOTは結核菌に対する免疫応答を評価する検査であり、菌の直接的証明にはならず、過去の感染を反映している可能性がある点に注意が必要です。
外科的肺生検は、本疾患を疑う場合には通常、積極的に選択される診断方法ではありません。ただし、単発病変で外科的切除が可能な場合には、治療を兼ねた選択肢となり得ます。
なお、臨床的にNTMを疑った症例で結核と診断される場合や、その逆のケースも時に経験されます。したがって、微生物学的検査は必ず提出し、その結果を慎重に確認することが重要です。
問1.の答え:喀痰抗酸菌検査
問2.の答え:非結核性抗酸菌症
引用:肺非結核性抗酸菌症診断に関する指針─2024年改訂(Kekkaku Vol. 99, No. 7 : 267-270, 2024)

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