深掘り

いろいろ解説

ANCA関連血管炎の「寛解導入治療」って?~MPAとGPAの基本をざっくり解説~

ANCA関連血管炎は、腎臓や肺など生命に関わる臓器に障害を引き起こす自己免疫性疾患です。その中でも、MPA(顕微鏡的多発血管炎)およびGPA(多発血管炎性肉芽腫症)は代表的な疾患であり、早期診断と適切な治療が非常に重要です。2023年に改訂された日本のANCA関連血管炎診療ガイドラインでは、MPA/GPAに対する最新の寛解導入治療(初期治療)について、複数の選択肢とそれぞれのエビデンスが提示されて...
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深掘り

【雑記】呼吸器内科から始まるアレルギー専門医への道

――ステロイド・抗アレルギー薬・生物学的製剤を極め、社会に必要とされるスペシャリストへ呼吸器内科の魅力――それは、サブスペシャリティに焦点を当てて研鑽を積むことで、他の追随を許さない“オンリーワン”の存在になれるという点にあります。救急、集中治療、感染症、画像診断、腫瘍、自己免疫……呼吸器内科がカバーする領域は非常に幅広く、多彩なキャリアパスが用意されています。なかでも今回注目したいのが「アレルギ...
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その他

顕微鏡的多発血管炎(MPA)を“臨床で使える知識”としてマスターしよう!

「発熱や倦怠感が続く高齢の患者さんが多いけど、なかなか診断がつかない……」「肺に間質性肺疾患っぽい所見があって、腎機能が悪い‥‥」そんなとき、頭の片隅に「血管炎」は浮かんでいますか?ちなみに、診断に重要なのは「生検」です(正拳ではない・・・)。顕微鏡的多発血管炎(microscopic polyangiitis: MPA)は、見逃すと命に関わるが、診断すれば治療可能な疾患です。今回の記事では、臨床...
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感染症

【雑記】呼吸器内科から始まる感染症専門医・インフェクションコントロールドクターへの道

〜抗菌薬のスペシャリストとしての誇り〜呼吸器内科の最大の魅力――それは、サブスペシャリティに特化して研鑽を積むことで、他にはない“オンリーワン”の専門性を築けるという点にあります。実は、呼吸器内科の土台をしっかり築くことによって、ただ呼吸器全般の診療力を高めるだけにとどまらず、将来的に以下のような多彩な専門領域へとステップアップしていく道が開かれています。救急医療のスペシャリスト集中治療のスペシャ...
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集中治療

【雑記】呼吸器内科から始まる集中治療医への道

―集中治療の“リアル”と最前線が、ここにある ―呼吸器内科の最大の魅力――それは、サブスペシャリティに特化して研鑽を積むことで、他にはない“オンリーワン”の専門性を築けるという点にあります。呼吸器という臓器は、構造的にも機能的にも複雑で、全身のさまざまな疾患と深く関わっています。そのため、呼吸器内科でしっかりとした基盤を築くことは、単に呼吸器疾患の診療力を高めるだけでなく、将来的に以下のような多彩...
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深掘り

【雑記】呼吸器内科から始まる腫瘍内科への道 

―がん診療の“リアル”と最前線が、ここにある ―呼吸器内科の魅力――それは、サブスペシャリティに焦点を当てて研鑽を積むことで、他の追随を許さない“オンリーワン”の存在になれるという点にあります。実は、呼吸器内科の土台をしっかり築くことによって、ただ呼吸器全般の診療力を高めるだけにとどまらず、将来的に以下のような多彩な専門領域へとステップアップしていく道が開かれています。集中治療のスペシャリスト救急...
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肺高血圧

呼吸器内科目線での肺高血圧 その2 ――1群か3群かのグレーゾーンをどう考えるか?

Pulmonary hypertension in chronic lung disease and hypoxia. Nathan SD, et al. Eur Respir J. 2019.引用文献はじめに肺高血圧症(PH)の中でも、第1群に分類される肺動脈性肺高血圧症(PAH)は、肺血管拡張薬の開発により、予後が大きく改善されました。また、第4群の慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)では、...
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いろいろ解説

呼吸器内科目線で肺高血圧を深堀りしてみる その1

2022 ESC/ERS Guidelines for the diagnosis and treatment of pulmonary hypertension.Humbert M, et al. Eur Respir J. 2023.引用文献はじめに肺高血圧症(PH)の中でも、第1群に分類される肺動脈性肺高血圧症(PAH)は、肺血管拡張薬の開発により、予後が大きく改善されました。また、第4群の...
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肺高血圧

肺高血圧「1群か3群か問題」— 診療のグレーゾーン

循環器と呼吸器の間には、昔から 「肺炎か心不全か問題」 という議論があります。これは、どちらの診療科が担当するべきかという問題に直結します。しかし、実際には肺炎が主なのか、心不全が主なのかを明確に区別することは難しく、多くのケースで両者が併存し、その重症度が相互に影響し合っています。診断は単純に白か黒かではなく、むしろグレーゾーンの中にあり、最終的には 「白に近い灰色か、黒に近い灰色か」 という判...
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間質性肺疾患

胸部HRCTで蜂巣肺・多発嚢胞・気腫を鑑別してみる

Hansell DM, Bankier AA, MacMahon H, McLoud TC, Müller NL, Remy J. Fleischner Society: glossary of terms for thoracic imaging. Radiology. 2008; 246: 697-722.引用文献蜂巣肺・多発嚢胞・気腫の鑑別ポイント嚢胞(Cyst)、気腫(Emphysema)...
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いろいろ解説

重篤な疾患での入院患者さんにおける退院支援における多職種連携の重要性

はじめに重篤な病気で入院すると、体力の低下、金銭的負担、家庭環境の変化 など、多くの課題が生じます。そのため、病状が改善したからといって必ずしも自宅退院が容易にできるわけではありません。特に呼吸器疾患の患者では、以下のような病態が問題となり、退院後の生活に大きな影響を与えます。呼吸器疾患治療後の主な課題課題詳細呼吸機能の低下重症肺炎、間質性肺炎、COPD などによる呼吸機能の低下。在宅酸素療法やN...
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