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感染症いろいろ解説

【雑記】呼吸器内科から始まる感染症専門医・インフェクションコントロールドクターへの道


抗菌薬のスペシャリストとしての誇り

呼吸器内科の最大の魅力――それは、サブスペシャリティに特化して研鑽を積むことで、他にはない“オンリーワン”の専門性を築けるという点にあります。

実は、呼吸器内科の土台をしっかり築くことによって、ただ呼吸器全般の診療力を高めるだけにとどまらず、将来的に以下のような多彩な専門領域へとステップアップしていく道が開かれています。

  • 救急医療のスペシャリスト
  • 集中治療のスペシャリスト
  • 胸部画像診断のスペシャリスト
  • アレルギー疾患のスペシャリスト
  • 自己免疫疾患のスペシャリスト
  • 腫瘍内科のスペシャリスト
  • そして――感染症のスペシャリスト

今回は、その中でも特に“スペシャル”なサブスペシャリティ、「感染症」にスポットを当てて、呼吸器内科がなぜ“抗菌薬マスター”として感染症専門医への最短ルートになり得るのかをご紹介します。

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抗菌薬の“フルコース”を日常的に使いこなす診療科

呼吸器内科医ほど、幅広い抗菌薬を“日常的かつ実践的”に扱っている診療科はありません。

  • セフェム系やペニシリン系といった第一選択薬
  • マクロライドやニューキノロンといった肺炎治療の主力
  • カルバペネムや抗MRSA薬(バンコマイシン、リネゾリド)といった耐性菌対策
  • 抗真菌薬(アゾール系・キャンディン系)、抗ウイルス薬(オセルタミビル、レムデシビルなど)
  • 抗結核薬やST合剤、ミノサイクリン、アミノグリコシドなどのニッチな抗菌薬

これらを“適応”、“薬剤感受性”、“副作用プロファイル”、“相互作用”を理解したうえで、患者一人ひとりの病態に応じて最適化して使用していく

――それが呼吸器内科医の当たり前の日常です。


感染症に強くなりすぎる副作用、それが呼吸器内科

肺炎をはじめとする呼吸器感染症は、内科感染症の中でも最も頻度が高く、かつ重症化リスクが高い疾患群です。

呼吸器内科医は日常的に以下のような感染症と向き合っています:

  • 肺炎球菌、インフルエンザ桿菌、緑膿菌による市中肺炎や院内肺炎
  • マイコプラズマ、クラミジア、レジオネラといった非定型病原体
  • 結核や非結核性抗酸菌症
  • インフルエンザウイルス、COVID-19などのウイルス性肺炎
  • ニューモシスティス肺炎、サイトメガロウイルス肺炎などの日和見感染症
  • アスペルギルス、カンジダ、クリプトコッカスなどの真菌感染

これらの微生物は、いずれも抗菌薬の適切な選択とタイミングが予後を大きく左右するため、自然と感染症領域の治療スキルが鍛えられていきます。

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抗菌薬だけでない、呼吸器内科が育てる「感染症センス」

さらに、呼吸器内科医はCOVID-19パンデミックの最前線で、特効薬がない中でも支持療法・呼吸管理・ステロイド投与などを駆使して患者を支えてきました。

この経験により、たとえ「有効な薬がない」感染症でも冷静に対処し、全体をマネジメントする力が養われます。

また、空気感染・飛沫感染・接触感染といった伝播経路を意識した感染対策は、日常業務の一部。

インフェクションコントロールドクター(ICD)や感染症専門医への移行も非常にスムーズです。


呼吸器内科は感染症専門医への“王道”

感染症を極めたい――そう思ったときに、呼吸器内科出身であることは非常に強力な武器となります。

臨床で鍛えた「抗菌薬の扱い」「微生物の見立て」「耐性菌への対応」「感染管理スキル」が、サブスペシャリストとしての信頼を生みます。

呼吸器内科医が感染症専門医になるのは、いわば“進化”ではなく“深化”

すでに感染症診療の最前線で戦ってきたあなたのキャリアが、さらに確かな専門性として結実する道です。


最後に――研修医・医学生へのメッセージ

感染症専門医に興味があるなら、まずは呼吸器内科を志してください。その理由はシンプルです。

抗菌薬の知識と実戦経験が段違いに積めるから

毎日の診療が、あなたを自然と感染症スペシャリストに近づけてくれます。

抗菌薬を自在に操り、感染症に立ち向かう――
そんな医師像に魅力を感じたら、呼吸器内科という舞台があなたを待っています。

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