呼吸器症例クイズ!
Xで症例クイズ出していましたが、これからブログの方にも載せていこうと思います。
症例提示
冬以降の季節に救急外来でも増えそうな病態。
さて、あなたならどう考える?
79歳男性
主訴:息切れ
詳細はスライド参照
①最も鑑別の上位に挙がる病態は?
②抗生剤に加え、あなたならどういう治療を追加する?

解説


解答です。
①最も鑑別の上位に挙がる病態は?
過去に特発性肺線維症(IPF)とは診断されていませんが…
1)過去または今回のCTで両下肺野の胸膜下優位の網状影・牽引性気管支拡張・蜂巣肺→UIPパターン
2)現時点では膠原病などの二次性の病態の可能性が低い。(ただし、線維性過敏性肺炎や将来的な膠原病発症は完全には否定できない状態)
——以上より、IPFの可能性が高く、 さらに、今回1ヶ月以内の経過で呼吸不全と新規のすりガラス影が出現していることから、IPFの急性増悪を疑います。
答え:特発性肺線維症の急性増悪(AE-IPF)
・背景画像に高度の線維化所見がみられることから、非線維性過敏性肺炎の可能性は低いと考えられます。
・膠原病を示唆する所見、とくに皮膚筋炎を疑わせる特徴も認めません。
・NT-proBNP が低値であることから、心不全の可能性も低いと判断されます。
ただし、AE-IPF の診断には心不全の除外が必須である点には留意してください。
②抗生剤に加え、あなたならどういう治療を追加する?
慢性期の IPF に対してはステロイドは使用しませんが、AE-IPF では経験的治療としてステロイドが用いられます。
かつてはシクロフォスファミド併用療法が行われていた時期もありましたが、スライドに示すとおり、ランダム化比較試験で有効性が確認されなかったため、現在は例外的な状況を除き実施されていません。
ガイドライン上も、免疫抑制剤の併用は推奨されていません。
答え:ステロイド
重要なポイントとして、 救急外来では、過去に IPF と診断されていなくても、初発のAE-IPFとして受診する患者さんがいます。
両側性のすりガラス影を伴う呼吸不全の患者をみた際、網状影や蜂巣肺などの線維化所見を認める場合には、必ずAE-IPF を鑑別に挙げるようにしてください。

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