医療職一般向け

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肺癌や悪性腫瘍

【雑記】「この薬、使っても大丈夫ですか?」と呼吸器内科に聞かれても困る話 

多くの場合は、何らかのがん、つまり悪性腫瘍の治療前の相談です。免疫チェックポイント阻害剤(ICI)や細胞障害性抗がん剤、分子標的薬、ADC製剤が多いですが、今回は呼吸器内科になじみのない薬剤に関してです。最近、他科から増えているご相談のひとつがこちら:「胸部CTで間質性肺疾患の疑いを指摘されました。これからXY製剤(呼吸器内科ではまず使わないような、最近使用可能になった分子標的薬やADC製剤※)を...
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深掘り

【雑記】呼吸器内科から始まる腫瘍内科への道 

―がん診療の“リアル”と最前線が、ここにある ―呼吸器内科の魅力――それは、サブスペシャリティに焦点を当てて研鑽を積むことで、他の追随を許さない“オンリーワン”の存在になれるという点にあります。実は、呼吸器内科の土台をしっかり築くことによって、ただ呼吸器全般の診療力を高めるだけにとどまらず、将来的に以下のような多彩な専門領域へとステップアップしていく道が開かれています。集中治療のスペシャリスト救急...
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いろいろ解説

【必読】サイトカイン放出症候群(CRS)を徹底解説!

引用文献今回は、最近とても重要性が増しているサイトカイン放出症候群(CRS)について、呼吸器以外の医師や、研修医・専攻医、看護師さんの皆さんにもわかりやすく、しっかりまとめてみました!免疫チェックポイント阻害薬(Immune Checkpoint Inhibitor:ICI)や、タルラタマブなどの二重特異性T細胞誘導抗体(Bispecific T-cell Engager:BiTE)、キメラ抗原受...
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肺癌や悪性腫瘍

【必読】免疫チェックポイント阻害薬関連肺臓炎(ICI pneumonitis)を徹底解説!

引用文献〜診断、リスク、治療の全体像をわかりやすくまとめました〜今回は、最近とても重要性が増しているICI pneumonitis(免疫チェックポイント阻害薬関連肺臓炎)について、呼吸器以外の医師や、研修医・専攻医、看護師さんの皆さんにもわかりやすく、しっかりまとめてみました!「免疫チェックポイント阻害薬(ICIs)」が使われる機会はどんどん増えていますが、それに伴って注意すべき有害事象も増えてい...
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いろいろ解説

<若手向け>日常診療――5つの「か」で始まる情報収集の極意

こんにちは、呼吸器探偵のLung-Drです。今回は、新研修医、新人看護師さん、臨床実習の学生さん向けのおはなしです。突然ですが、皆さんは日常診療で、何に一番時間を使っていると思いますか?診察?検査?治療?看護?もちろんどれも大事ですが、絶対必要になるのが「情報収集」です。情報収集を甘く見てはいけません!これはまるで、刑事や探偵が事件の真相に迫るために行う“証拠集め”や“聞き込み”に似ています。限ら...
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いろいろ解説

添付文書の「間質性肺疾患」って…もう少し分かりやすくならないのでしょうか?

最近、抗がん剤や分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の添付文書や適正使用ガイドを読んでいて、改めて気になることがあります。それは、有害事象の欄に記載されている「間質性肺疾患(ILD)」という表現です。この表現、呼吸器科以外の診療科にとっては、けっこう誤解を招きやすいのではないでしょうか?「既存の持病としてのILDなのか?それとも薬剤による新しい副作用なのか?」一見しただけでは判断がつき...
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肺癌や悪性腫瘍

免疫チェックポイント阻害薬(ICI)と irAE ざっくりまとめ

引用文献医療者全般や最近ICIを使い始めた方向けのおはなしです。ICI が標準治療に組み込まれた今、irAE(immune‑related adverse events) は避けて通れないテーマですね。本稿では最新 UpToDate(2025 年 2 月改訂)をもとに、「まずこれだけは押さえる」 という視点で整理しました。ぜひ日常診療のお供にどうぞ。​​ICI の基礎と「irAE」という概念標的分...
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間質性肺疾患

IPFの血管病変って意味があるのか?

今回は、特発性肺線維症(IPF)に関する論説がAm J Respir Crit Care Medに掲載されたので、ご紹介します。最近では、間質性肺疾患(ILD)に関連する肺高血圧症(PH)に関する論文が増えてきている印象があり、今後しばらくはILD-PHをテーマにした研究や話題がさらに増えていくかもしれませんね。A Twist in the Fibrotic Tale: The Overlooke...
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いろいろ解説

PPFとPF-ILDって何が違うのか?わかりにくいですね。

今回は、間質性肺疾患(ILD)の診療でよく耳にするようになった「PPF(進行性肺線維症)」と「PF-ILD(進行性線維化型間質性肺疾患)」について、混乱しがちなポイントやその背景、意義について解説していきますね。引用文献引用文献そもそもPPFもPF-ILDも「診断名」ではありません!まず一番大事なこととして、PPFもPF-ILDも「診断名」ではなく、「病態・挙動(disease behavior)...
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いろいろ解説

裏ワザ:疑似ネーザルハイフロー

15LリザーバーマスクでもSpO₂が上がらない…そんなときは、さらにカヌラ5Lを同時併用。『疑似ネーザルハイフロー』 ERや病棟の急変対応で、ハイフローにつなぐまでの―― 一手先を行く“つなぎの裏技”です。この方法でFiO₂は理論上上昇しますが、PEEPは上昇しません。あくまでも“疑似”ネーザルハイフローであり、陽圧の追加は期待できないでしょう。とはいえ、15L/分のリザーバーマスクに5L/分のカ...
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ガイドライン

間質性肺疾患・間質性肺炎患者において、肺以外の手術や気管支鏡検査で急性増悪を発症することがあるのか?

術前・検査説明に必要な知識ですね。はじめに間質性肺疾患(ILD)の患者さんが他科で手術を受ける場合や、診断目的で気管支鏡検査を行う際、「この手技によって病状が悪化しないか?」と心配になることがありますよね。今回は、肺以外の手術や、気管支鏡による生検・BALなどの手技後に起こりうる急性増悪(acute exacerbation: AE)について、ポイントを整理します。※急性増悪後の予後や予防に関して...
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いろいろ解説

急性増悪シリーズ:肺癌術後の間質性肺炎の急性増悪はどれくらいの頻度で起こるのか?そしてその転帰は?

肺癌手術後の急性増悪、その頻度と転帰は?間質性肺炎を合併した肺癌患者さんに手術を行うと、術後に急性増悪(AE)することがあります。文献によると、術後急性増悪の発生率は約9.3%(範囲3.3〜15.8%)とされており、術後30日以内の死亡率は33.3〜100%と非常に高いです。中でも、特発性肺線維症(IPF)患者では発症リスクが高いとされています。このため、術前のリスク評価がとても大切になりますね。...
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間質性肺疾患

間質性肺炎・間質性肺疾患に対する外科的肺生検後の急性増悪はどれくらいの頻度で起こるのか?

引用文献はじめに間質性肺疾患(Interstitial Lung Disease:ILD)は、肺に炎症や線維化を引き起こす疾患群で、正確な診断が治療方針を決めるうえでとても重要ですね。診断の一環として行われる外科的肺生検(surgical lung biopsy:SLB)は、有用性が高い一方で、急性増悪(acute exacerbation:AE)という重篤な合併症を引き起こすことがあります。本記...
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