外来。
呼吸器内科医「指先が白くなってますね。 これはレイノー現象ですよ」
患者「……霊能現象ですか?」
医「ええ、レイノー現象(Raynaud’s phenomenon)です。有名な所見ですよ。
ところで冷感はありますか?」
患「え? 霊感ですか? 私にはないです。 先生には霊感あるんですか?」
医「ん? 私には冷感ありませんけど?」
患「(え?霊感ないのに?)
お医者さんって、そういうジャンルまで勉強しないといけないんですね……
どこかで修行とかされるんですか?」
医「(修行……?)
ええ、総合内科専門医の試験で一通り勉強します。膠原病で」
患「(え?高原で修行?)
え? 総合内科専門医なら、みんな霊能現象がわかるんですか?」
医「ええ。見ればだいたいわかりますね。 総合内科専門医ですから」
治療方針。
患「総合内科専門医って万能なんですね。 …で、どうしたら霊能現象が治るんですか?」
医「ええ。レイノー現象は薬でコントロール可能ですよ」
患「……クスリで? ……大丈夫なやつですか?」
医「ええ。ちょっと副作用はありますが、 ほとんど大丈夫ですよ……」
解説
解説: レイノー現象は、寒冷刺激などを契機に指先が白色〜紫色に変化する末梢血管障害で、強皮症、MCTD、抗ARS抗体症候群などの膠原病・自己免疫性疾患にしばしば合併します。
これらの疾患は間質性肺疾患(ILD)の重要な原因であり、レイノー症状はその背景疾患を疑ううえで極めて重要な手がかりとなるので、呼吸器内科医にとっても重要です。
ILDの診断過程では、身体所見が原因検索の決定打になることも少なくありません。
その代表的な所見がレイノー現象です。
そのため、ILD患者の初診時には、必ず手をよく観察し、レイノー現象の有無を問診することが重要です
「寒いと指が白くなりますか」
「色調変化やしびれはありますか」
といったシンプルな質問が、膠原病関連ILDの診断につながることがあります。
今回のポストの主旨は、ILD診療では、レイノー症状を含めた手の所見に注意を払う必要があるという点を、若手医療者に改めて意識してもらうことです。
肺だけを見るのではなく、全身を診る視点を持つことが、正確な診断への第一歩になります。
なお、レイノー現象を印象づけるために若干ネタ的要素も盛り込みましたが、これをきっかけに本現象への関心が高まり、日常診療での身体診察に役立てていただければ幸いです。
レイノーの治療に関しては、膠原病内科や皮膚科など、専門領域の情報をご参照ください。

<スマートフォンをご利用の皆さまへ>
他の記事をご覧になりたい場合は、画面下の「メニュー」「検索」「サイドバー」を使って、気になる話題を検索することもできますので、ぜひご活用ください。
<PCをご利用の皆さまへ>
他の記事をご覧になりたい場合は、画面上部のメニューバーや画面右側のサイドバーをご利用いただき、気になる話題をお探しください。
