いろいろ解説

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間質性肺疾患

特発性Pleuroparenchymal Fibroelastosis(iPPFE)をやさしく解説②―画像と病理所見、下葉病変の意義

特発性Pleuroparenchymal Fibroelastosis(iPPFE)は、2013年のATS/ERS改訂により定義された稀な間質性肺疾患(ILD)で、診療の現場でも遭遇する機会が増えてきました。今回の記事では画像と病理所見、下葉病変の意義について解説します。引用文献画像所見:楔状病変と上葉容積減少がカギiPPFEの診断において、画像所見は極めて重要です。特に、上肺野に特徴的なCT所見...
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間質性肺疾患

🫁 呼吸器内科TIPS|ニンテダニブによる頑固な下痢に…「イリボー®」という選択肢?

ニンテダニブ(オフェブ®)は、特発性肺線維症(IPF)や進行性線維化を伴うILD(PF-ILD)に対する重要な抗線維化薬ですが、最も頻度の高い副作用は「下痢」です。INPULSIS試験やINBUILD試験では60%以上の患者が下痢を経験し、そのうちの約3割が用量調整や中止を余儀なくされることも報告されています。Arai et al. Two cases of nintedanib-induced ...
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いろいろ解説

特発性Pleuroparenchymal Fibroelastosis(iPPFE)をやさしく解説①―疾患概念と臨床像について

特発性Pleuroparenchymal Fibroelastosis(iPPFE)は、2013年のATS/ERS改訂により定義された稀な間質性肺疾患(ILD)で、診療の現場でも遭遇する機会が増えてきました。今回は疾患概念と臨床像について解説します。引用文献iPPFEとは? ― 上葉に現れる特殊な線維化iPPFEは、両側の上肺野に好発する慢性線維性ILDの一つです。病理学的には以下のような特徴を持...
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間質性肺疾患

🫁 【RSV予防】赤ちゃんを守る最新の2つの方法とは?〜妊婦ワクチンと抗体製剤〜

🫁RSウイルス(RSV)は、小児だけでなく高齢者や基礎疾患を持つ成人にとっても重要な呼吸器病原体です。💥特に注意すべきは、生後6か月未満の乳児。重症化や入院、命に関わるリスクも。⚡️RSVは子どもと大人の間で相互に感染を繰り返すため、世代を超えた予防対策が必要不可欠です。今回は「赤ちゃんのRSV予防」についてポストします。このテーマ、実は2025年7月にAJRCCMで「in press」になったば...
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深掘り

🫁 呼吸器内科TIPS|「UIPパターン=IPF」と決めつけない――患者さん・若手医師むけ

胸部CTでUIP(usual interstitial pneumonia)パターンを認めたとき、多くの臨床家がまず「IPF(特発性肺線維症)では?」と考えるでしょう。しかし、呼吸器内科の視点からは、この時点でIPFと決めつけてしまうのは非常に危険です。実はUIPパターンは、膠原病関連ILD(RAや強皮症、MPAなど)や線維化型過敏性肺炎といった、二次性の間質性肺疾患でも頻繁にみられる画像所見です...
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間質性肺疾患

間質性肺疾患(ILD)の診断の流れ――膠原病ILDの注目すべき所見・症状と自己抗体とは?

膠原病に伴う間質性肺疾患 診断・治療指針2025 日本呼吸器学会・日本リウマチ学会合同 膠原病に伴う間質性肺疾患 診断・治療指針2025 作成委員会引用文献今回は、間質性肺疾患(ILD)に遭遇した際の診断アプローチについて、特に膠原病に焦点を当てて解説します。以下、まずは、過去の記事の復習になります。※詳細は、過去の記事「間質性肺疾患(ILD)の診断の流れ」参照まず最初に確認すべきこと!🔴 患者さ...
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間質性肺疾患

🫁 呼吸器内科TIPS|体重管理の重要性? 間質性肺疾患における“見落としがちな”ポイント――患者さん・若手医師むけ

肺の病気と聞くと「呼吸のことだけを考えればいい」と思いがちですが、実は体重の管理こそが、間質性肺疾患(ILD)の進行や生活の質を大きく左右するカギになるのです。はじめに:肺だけを診ていて大丈夫?ILDというと、どうしても肺の線維化や酸素療法、薬物治療の話に焦点が当たりがちです。特に特発性肺線維症(IPF)や非特異的間質性肺炎(NSIP)、膠原病関連ILDなど、病態も治療法も多様で、医師も患者さんも...
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深掘り

過敏性肺炎⑩~治療方針に迷ったら読んで!過敏性肺炎の薬物療法“使い分け”解説」

過敏性肺炎(HP)は、他の間質性肺疾患(ILD)とは異なる治療戦略が求められる疾患です。2022年に公表された「過敏性肺炎診療指針」においても、治療の中心は「抗原回避」であることが明記されています。薬物療法はあくまで補助的な手段であり、まず原因抗原を環境から除去することが、予後を大きく左右する最も重要なポイントです。すなわち、「抗原回避なくして治療なし」──これが過敏性肺炎における基本原則です。し...
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いろいろ解説

過敏性肺炎⑨~「抗原回避なくして治療なし」──過敏性肺炎の本質に迫る

過敏性肺炎(HP)は、他の間質性肺疾患(ILD)と比べて、やや異なる治療戦略が求められる疾患です。2022年に公表された「過敏性肺炎診療指針」においても、治療の中心となるのは「抗原回避」であり、薬物治療はあくまでそれを補完する役割であることが強調されています。すなわち、「まず抗原を断つこと」──これこそが、過敏性肺炎の治療と予後に直結する最重要事項です。今回はこの「抗原回避」に焦点を当て、解説して...
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過敏性肺炎⑧~過敏性肺炎の診断アルゴリズム徹底解説―これで迷わないぞ

過敏性肺炎(HP)は、反復する抗原吸入によって誘発される免疫性びまん性肺疾患であり、2020年ガイドラインでは、非線維性(nonfibrotic HP)と線維性(fHP)に分類されました。今回は、これまで解説したHPの臨床・画像・病理所見に基づいて、どのようにHPと診断していくかについて、わかりやすく解説します。引用文献はじめに:過敏性肺炎とは?過敏性肺炎(HP:Hypersensitivity ...
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間質性肺疾患

🫁 呼吸器内科TIPS|「間質性肺炎ですか?」と聞かれたときに伝えたいこと――患者さん・若手医師むけ

最近、「間質性肺炎(IP)と言われたのですが、命にかかわりますか?」と心配される方が増えています。確かに、インターネットやニュースなどで「肺が固くなる」「呼吸が苦しくなる」「治らない」などのイメージが広がっていることもあり、不安になるのは当然です。でも実は、この「間質性肺炎(IP)」という言葉、医療現場ではやや限定的な意味で使われているもので、正確には「間質性肺疾患(ILD)」というもっと広い概念...
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🫁 呼吸器内科TIPS|特発性間質性肺炎の診断と助成認定──見落とされがちな6分間歩行試験の意義

いまさらですが、2024年4月に、厚生労働省による指定難病「特発性間質性肺炎」の認定基準が大幅に改訂されています。従来、IPF(特発性肺線維症)を除いては、原則として外科的肺生検などによる組織所見が必須とされていました。改訂後は、臨床診断群の位置づけが明確化され、組織診断がなくても、IPFに加えてPPFEも臨床診断および申請が可能となりました。さらに重要な点として、その他の組織診断を伴わない症例で...
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間質性肺疾患

過敏性肺炎⑦~線維性過敏性肺炎の病理像をやさしく解説します

過敏性肺炎(HP)は、反復する抗原吸入によって誘発される免疫性びまん性肺疾患であり、2020年ガイドラインでは、非線維性(nonfibrotic HP)と線維性(fHP)に分類されました。病理組織を観察すると、こんな特徴があります:末梢気道や肺胞まわりにリンパ球などの炎症細胞が浸潤小さな肉芽腫が点々と見える時間が経つと線維化(肺の組織が硬くなる)が加わる(線維性HP)このように、HPの病理は「炎症...
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