統計

<その2>Cox比例ハザード解析やロジスティック解析における多変量解析の変数選択はどのように行うべきか?

<その1>Cox比例ハザード解析やロジスティック解析における多変量解析の変数選択はどのように行うべきか? の続きになります。見ていない方は、こちらへ。どうしても変数選択が必要な場合には何を使う?1. 事前知識に基づく変数選択(Clinical Knowledge-Driven Selection)概要医学的な事前知識や先行研究に基づいて、解析に含める変数を選択します。メリット科学的妥当性が高い。過...
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統計

<その1>Cox比例ハザード解析やロジスティック解析における多変量解析の変数選択はどのように行うべきか?

Cox比例ハザード解析やロジスティック解析における多変量解析の変数選択は、研究の目的やデータ特性によって異なりますが、一般的な選択基準の妥当性が高い順に以下のように整理できます。1.事前に定義された研究目的や仮説に基づく選択(優先度:高)目的: 既存の知見や文献レビューから、研究目的に合致する重要な変数を明確にする。利点:研究の焦点を絞り込む。過剰なデータ操作による誤った結果を防ぐ。例:臨床的に重...
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統計

Nested case–control studies(ネストした症例対照研究)

Nested case–control studies(ネストした症例対照研究)とは、疫学研究でよく用いられる手法であり、特徴的なアプローチを持っています。以下に手法を解説します。概要定義: 大規模なコホート研究内で、発生した症例(アウトカムを経験した人)と、アウトカムが発生しなかった対照を選び出し、詳細な解析を行う手法。特定のリスク要因(曝露)とアウトカムの関連性を効率的に調べる。特徴:研究対象...
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統計

Self-Controlled Case Series(自己対照症例シリーズ)

self-controlled case series(自己対照症例シリーズ)とは、疫学研究でよく用いられる手法であり、特徴的なアプローチを持っています。以下に手法を解説します。概要定義: 研究対象者自身を「対照」として用いる手法であり、アウトカムが発生した期間(リスク期間)とアウトカムが発生しなかった期間を比較する。曝露(例: ワクチン接種)が特定の時間枠内でアウトカムに影響を与えるかを検証する...
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統計

逆確率重み付け法(Inverse Probability Treatment WeightingIPTW)と傾向スコアマッチング

IPTW(Inverse Probability Treatment Weighting)と通常の傾向スコアマッチング(Propensity Score Matching, PSM)は、いずれも傾向スコア(propensity score)を用いて交絡因子を調整し、観察研究で因果推論を行うための手法です。しかし、アプローチや特性、結果に至る過程にいくつかの重要な違いがあります。傾向スコアマッチング...
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論文紹介

吸入ステロイド薬の用量と有害事象の発生頻度の関連(Bloom CI, et al. Am J Respir Crit Care Med. 2024.)

Association of Dose of Inhaled Corticosteroids and Frequency of Adverse Events.引用文献吸入ステロイド薬(ICS)は、呼吸器症状や肺機能の改善させ、喘息発作を予防し、死亡率を低下させるので、喘息治療ののキードラッグと言えます。ガイドラインでは、良好な喘息コントロールを達成するために、可能な限り最小の用量を処方することが推...
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感染症

ワクチン接種を受けた慢性肺疾患患者におけるデルタ株およびオミクロン株SARS-CoV-2転帰に関する全国規模のコホート研究(Wee LE, et al. Chest. 2024.)

A Nationwide Cohort Study of Delta and Omicron SARS-CoV-2 Outcomes in Vaccinated Individuals With Chronic Lung Disease引用文献COPD患者がCOVID-19への感受性が高くなることが報告されています。この背景には、気道上皮の免疫応答の変化やACE2受容体の発現増加が関連していると考...
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間質性肺疾患

間質性肺疾患の急性増悪に対するコルチコステロイド療法: システマティックレビュー(Srivali N, et al. Thorax. 2024)

Corticosteroid therapy for treating acute exacerbation of interstitial lung diseases: a systematic review引用文献ステロイド療法は、IPFを含むILDの急性増悪時の標準治療として最も多く使用されますが、ランダム化比較試験(RCT)はなく、主に観察研究からのデータに基づいています。そのため、有効性...
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間質性肺疾患

悪性腫瘍患者における細胞障害性抗がん剤による薬剤性肺炎とILAとの関連性(Oishi, et al. Respir Med. 2024)

Association of interstitial lung abnormalities with cytotoxic agent-induced pneumonitis in patients with malignancy引用文献最近はInterstitial lung abnormalities(ILA)に注目しているのでいろいろジャーナルを見ていたらこんな論文がArticle in p...
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今日は ねこ日和かもしれん

とてもきもちよさそうですな。出勤したくなくなりますが、病院にいかねば・・・
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間質性肺疾患

Fibrotic HPとIPFを区別するためのCT診断モデルの検証(Sumikawa, et al. Respir Investig. 2024)

Validation of a computed tomography diagnostic model for differentiating fibrotic hypersensitivity pneumonitis from idiopathic pulmonary fibrosis引用文献過敏性肺炎(HP)には、線維化の有無に応じて非線維化(non-fibrotic)型と線維化(fibro...
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統計

データ解析:平均値と中央値 どちらを使う? 群間比較に用いる統計は? 正規分布って??

前向き・後ろ向きを問わず、臨床研究では「A群とB群の年齢の比較」など、複数の群間における興味ある変数の比較が重要ですね。このような解析のときには、そのような変数は平均値で表した方がよいのか?それとも中央値で表した方がよいのかどちらがよいのでしょうか?あと聞きたいんですが、興味ある変数の群間比較にはt検定とかマン・ホイットニーとかがありますが、どれを使えばいいんですか?その前に、まずは目的の変数が正...
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未分類

今後の投稿予定

そろそろ2024年末ですね。インフルエンザが増えてきて、その二次性肺炎などでの入院患者さんが増 えてきてます・・・さて、サイトが立ち上がってきましたのでちょこちょこと記事を更新していきたいと思います。
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間質性肺疾患

COPDGeneにおける間質性肺疾患の発症、進行、および死亡率(Rose JA, et al. Am J Respir Crit Care Med. 2024)

Development, Progression, and Mortality of Suspected Interstitial Lung Disease in COPDGeneRose JA, et al.Am J Respir Crit Care Med. 2024.PMID:39133466 引用Interstitial Lung Abnormalities(ILA)を持つ一部には間質性肺...
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その他

呼吸器内科医のブログ LungDr Note ~呼吸器疾患に関する情報や論文の解釈・論文執筆に役立つ統計や手法を紹介~

はじめまして、Lung-Drです。呼吸器内科の専門医だけでなく、医学生さん、研修医、専攻医、専門外の先生、看護師さんなどの医療従事者、患者さんにもなるべくわかりやすい情報を発信します。呼吸器領域の情報や論文の解釈・論文執筆に役立つ統計や手法を紹介していきたいと思います!!<スマートフォンをご利用の皆さまへ>他の記事をご覧になりたい場合は、画面下の「メニュー」「検索」「サイドバー」を使って、気になる...
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